虫歯は治療をしないとどんどん進行します。痛みを伴い、歯やお口の健康を損ねていきます。進行を止めるためには治療をするしかありません。
虫歯治療では虫歯部分を削り、削った部分を補うために、詰め物や被せ物を装着します。神経にまで虫歯が達してしまっている場合は、根管治療をする必要があります。一度でも歯を削る治療をすると、もとの健康な歯に戻すことはできません。また治療において、患者様に痛みや治療期間、費用など少なくない負担がかかることになり、悪化すればするほどその負担は大きくなります。
治療を行わずにお口の健康を保つ方法があるとしたら……、それが「予防」です。
虫歯は仕組みがはっきりしているので、予防することができます。基本は毎日のセルフケア。プラスして行うべきなのが、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアです。通常のセルフケアでは落としきれない汚れは、定期的に歯科医院できれいにすることで虫歯や歯周病の予防につながります。
虫歯や歯周病は、ある日突然発症するものではありません。口腔内環境が悪い方へ傾き、少しずつ進行していくものです。初期の虫歯も歯周病も自覚症状はほとんどありません。自覚症状が現れたときには、かなり進行していると考えてよいでしょう。
当院で行っている定期検診では、お口のトラブル予防の専門家が、お口の小さな変化からトラブルを早期発見し、適切な処置をご提案します。自分では気づきにくい変化をプロフェッショナルな視点でしっかり確認してもらうことで、痛みや時間、治療費などの負担を軽減することができます。
当院では、唾液検査の結果シートを通じて、虫歯になりやすさを目で見てわかる形でご提供しています。検査自体は簡単で、専用の洗口液でお口の中を洗って検査にかけるだけです。約5分で結果が出力されます。グラフや数値を使った結果シートを見ながら、スタッフが患者様のお口の状況を丁寧にご説明します。これをもとに、今後の予防方法のアドバイスも行います。
染め出しの赤い色は食紅と同じ成分ですので飲み込んでも体に害はありません。
まず、染め出し剤を歯のすみずみまで塗り、2~3回うがいをして余分な染め出し液を洗い流します。
現代の歯科医療の流れは、治療から予防へと変化してきています。一度削った歯はもとに戻らないうえ、虫歯や歯周病などのお口の病気は、進行するまで自分自身で気が付きにくいからです。当院では予防ケアに力を入れ、虫歯や歯周病になりにくい良好な口腔内環境の維持を通じて、患者さまのQOL(Quality of Life=生活の質)を向上させるお手伝いをしたいと考えています。
当院では、予防の専門家である歯科衛生士が歯科医師と連携しながら、一人ひとり異なる患者様のお口の状態をしっかりとチェックします。早期発見・早期治療で、患者様への負担をできるだけ小さく抑えられるよう努めてまいります。
予防のために大切なことは、毎日患者様自身が行うセルフケアと、歯科医院で受けるプロケアを継続するということです。セルフケアの仕方も人それぞれで、毎日のことだけに、患者様自身のクセが出てくることがあります。また、予防のためには、生活習慣(間食、歯みがきの回数、フッ素の使用状況、唾液の分泌量と質)の改善も重要になります。
当院では、患者様のお口の状況に合わせて、プラークコントロールしやすい歯ブラシのご提案、効率よくケアできる方法や予防に効果的な生活習慣などのアドバイスを行います。
鹿児島市武岡の歯医者「小森歯科クリニック」では、虫歯や歯周病の予防に有効とされるさまざまなケアメニューをご用意しています。患者様のお口の状況に合わせて、適切なケア方法をご提案します。また、定期検診でもこれらのケアメニューを組み合わせてご提案させていただきます。
フッ素塗布
フッ素には歯質を強化するはたらきがあります。そのフッ素を歯の表面に塗布すると虫歯菌が出す酸に溶けにくくなり、歯の再石灰化を促すことができます。虫歯予防の効果を持続するためには定期的なフッ素塗布がおすすめです。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
口腔ケアのプロフェッショナルが専用機器を使って行う歯のクリーニングです。セルフケアでは落としにくい、歯と歯の間や歯と歯茎の溝のプラーク(歯垢)や歯石を徹底的に落とします。仕上げに歯の表面をなめらかにして汚れの再付着を防ぎます。
歯みがき指導
お口の状態は患者様一人ひとり異なります。そのためお口の汚れを効果的に落とすためには、お口の状態に合った歯みがきをすることが大切です。歯みがき指導では、口腔ケアのプロフェッショナルが、みがき残しを起こしやすい部分を中心に歯みがきの仕方についてアドバイスします。
シーラント
シーラントは、みがき残しになりやすく食べかすやプラークが溜まりやすい奥歯の咬み合わせ面を、あらかじめ歯科用プラスチックで埋めることで虫歯を防ぐ方法です。小さなお子さんの奥歯に有効です。次第にすり減っていくため、定期的なチェックが必要となります。
咬み合わせチェック
咬み合わせが悪いと汚れが溜まりやすくなったり、一部の歯に過度の負担がかかったりしてしまいます。これらは虫歯や歯周病を誘発しますので、定期的に咬み合わせをチェックして、問題があれば整えることが大切です。
鹿児島市武岡の歯医者「小森歯科クリニック」では、虫歯や歯周病の治療後に、健康な口腔内環境を維持していただくために、3~6ヶ月ごとの定期検診をご提案しています。定期検診を受けていただいていれば、虫歯や歯周病の兆しが出ていても早期発見・早期治療が可能になり、お口に与えるダメージを極力抑えられるからです。
以下のグラフは、「予防のために歯科医院を定期的に受診しメンテナンスを受けている人の割合」をスウェーデン・アメリカ・イギリス、そして日本を比較したものです。歯科先進国であるこの3カ国では、ほとんどの人がメンテナンスを受けており、日本では約2%の人しか定期メンテナンスを受けていないことがわかります。
このように、定期メンテナンスを受けている諸外国では、70歳になっても自分の歯をほとんど残せているのに対し、定期メンテナンスを受けていない日本人は、多くの歯を失ってしまっていることがわかります。
人の歯は、親知らずを除くと上下合わせて28本あります。そのうち約20本の歯が残っていれば、お口の機能としては問題ありません。しかし、半分以上の歯を失ってしまった場合には、入れ歯やインプラント、ブリッジなどの何らかの補綴(ほてつ)治療が必要となります。高品質・高機能のこれらの補綴物をもってしても、天然歯より勝れた機能や快適さを発揮することは難しいのが現状です。
いくつになってもご自身の歯で咬めることは、当たり前のようでいて、大変素晴らしいことです。当院では、患者様の予防の観点からお口の健康維持をサポートすることで、ご自身の歯を失うことなく快適で豊かな生活を送っていただけるようお手伝いしたいと考えています。お口のお悩み・トラブルが生じる前から、どうぞお気軽に当院の予防歯科をご活用ください。